DCマグネトロンスパッタリングとRFマグネトロンスパッタリングの主な違いは、ターゲットに印加する電圧の種類にある。DCマグネトロンスパッタリングでは一定の電圧が印加されるが、RFマグネトロンスパッタリングでは高周波の交流電圧が使用される。この違いは、スパッタリングプロセスや効果的にスパッタリングできる材料の種類にいくつかの影響を与える。
DCマグネトロンスパッタリング:
DCマグネトロンスパッタリングでは、ターゲット材料にプラズマからの高エネルギーイオンが照射され、ターゲットから原子が放出されて基板上に堆積する。この方法は、電圧が一定であるためプラズマが安定し、スパッタリング速度が一定に保たれるため、導電性材料には簡単で効率的である。しかし、DCスパッタリングでは、特に絶縁材料をスパッタリングする場合にターゲット表面に電荷が蓄積し、スパッタリングプロセスが中断されることがある。RFマグネトロンスパッタリング:
RFマグネトロンスパッタリングでは、通常無線周波数(13.56 MHz)の交番電圧を使用するため、ターゲット表面への電荷蓄積を防ぐことができる。このため、交流電流が電荷の蓄積を効果的に中和するため、RFスパッタリングは絶縁材料に特に適している。加えて、RFスパッタリングは、DCスパッタリング(約100 mTorr必要)と比べて、ガスプラズマを大幅に低いチャンバー圧力(15 mTorr以下)に維持できる。この低圧により、荷電プラズマ粒子とターゲット材料との衝突回数が減少し、より直接的なスパッタリング経路が得られる。
利点と欠点:
RFスパッタリングには、特にターゲット上に酸化物アイランドやアスペリティがある場合にDCスパッタリングで発生する可能性のあるアーク放電のリスクなしに、金属材料と誘電体材料の両方を効果的にスパッタリングできるという利点がある。しかし、RFスパッタリングの電力供給システムは、DCスパッタリングよりも複雑で効率が悪い。RF電源は一般に効率が悪く、より高度な冷却システムを必要とするため、特に高出力レベルでは運転コストが高くなる。
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