プラズマ活性化化学気相成長法(PACVD)は、化学気相成長法(CVD)の中でも特殊な技術である。
プラズマを利用してガスの化学反応性を高め、低温での薄膜形成を可能にする。
この方法では、グロー放電によって基板表面付近のガスをイオン化し、反応ガスを活性化させ、熱化学反応とプラズマ化学反応の両方を促進させる。
4つのポイントを解説
1.ガスの活性化
PACVD装置では、反応ガスは1~600Paの圧力でチャンバー内に導入される。
基板は、多くの場合カソード上に置かれ、特定の温度に維持される。
グロー放電が開始され、基板表面付近のガスがイオン化され、化学反応性が高まる。
2.化学反応
活性化ガスは、CVDプロセスに典型的な熱化学反応と、PACVD特有のプラズマ化学反応の両方を起こす。
これらの反応は、イオン、自由電子、ラジカルを含むプラズマの高エネルギーによって促進される。
この二重メカニズムにより、密度や密着性などの特性を制御した成膜が可能になる。
3.利点
PACVDは従来のCVDに比べて、成膜温度が低い、基板特性への影響が少ない、ピンホールのない緻密な膜を形成できるなど、いくつかの利点がある。
また、金属膜、無機膜、有機膜など、さまざまな種類の膜を成膜できる汎用性がある。
4.用途
PACVDは、低温で膜の特性を正確に制御しながら成膜できるため、幅広い用途に適している。
これらの用途は、半導体製造から医療機器や器具のコーティングまで多岐にわたる。
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