鋼のろう付けに関しては、加熱する温度が重要である。
温度は通常、500°Cから1200°Cの範囲である。
この範囲は、鋼の種類と使用するろう付けプロセスによって異なる。
1.オーステナイト系ステンレス鋼のろう付け
オーステナイト系ステンレス鋼は、さまざまな工業用途で一般的に使用されている。
この種の鋼の場合、ろう付け温度は1150℃を 超えるべきではない。
この制限は、鋼の粒成長を防ぐ ために重要である。
粒成長は機械的特性の低下につながる。
炭素含有量が高く、TiやNbのような安定化元素を欠く鋼の場合、鋭敏化温度範囲(500~850℃)ではろう付けすべきではない。
これは、耐食性を低下させるクロム炭化物の析出を避けるためである。
2.マルテンサイト系ステンレス鋼のろう付け
マルテンサイト系ステンレス鋼は、高い強度と硬度で知られている。
この種の鋼の場合、ろう付け温度は焼入れ温度に一致させるか、焼戻し温度より低くする必要がある。
これにより、ろう付けプロセス中に鋼が軟化することがない。
これにより、望ましい機械的特性が維持される。
3.一般的なろう付け温度
ろう付け温度は通常、金属フィラーの液相線温度 より少なくとも25℃高く設定される。
これによ り、ろう材が適切に溶融・流動する。
この温度は5~10分間、または重荷重の場合はそれ以上維持される。
これにより、均一な加熱と母材の適切な濡れが保証される。
ろう付け後、熱応力と歪みを最小限に抑えるため、部品はゆっくりと冷却される。
多くの場合、約980℃ (1800°F)まで冷却してから、ガス焼き入れのような急速冷却法が採用される。
4.雰囲気とフラックスに関する考察
ろう付けが行われる環境も温度設定に影響する。
大気中では、酸化物を除去するために活性フラックスが必要である。
保護雰囲気または真空では、雰囲気の温度と純度を注意深く制御する必要がある。
これにより、酸化膜を形成することなく、効果的なろう付けを行うことができる。
これらのガイドラインにより、ろう付けプロセスが効果的に行われ、鋼の機械的特性を損なうことなく、強靭で耐食性に優れた接合部が得られます。
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