CVDグラフェンの抵抗、特にシート抵抗は、銅基板上に成長させた場合、一般的に約350Ω/□であり、透明度は90%である。
この値は、透明度98%でシート抵抗が約6 kΩであるドープなしのグラフェンと比べて、透明度/シート抵抗比が大幅に改善されたことを意味する。
4 主要な洞察
1.CVDグラフェンのシート抵抗
銅基板上に化学気相成長法(CVD)で作製したグラフェンのシート抵抗は、350 Ω/sqと報告されている。
この測定値は、グラフェンが90%という高い透明性を維持する条件下で得られたものである。
シート抵抗は、導電性と透明性のバランスが重要な透明導電膜などの用途にとって重要なパラメーターである。
2.アンドープグラフェンとの比較
1原子厚の2次元結晶性同素体であるアンドープ・グラフェンのシート抵抗は約6 kΩで、透明度は98%である。
銅上のCVDグラフェンと比べてこの高い抵抗値は、CVDプロセスによって、透明性を大きく損なうことなくグラフェンの導電性を高めることができることを示している。
3.層厚の影響
グラフェンのシート抵抗は、層数を増やすほど低下する。
仮に、各層が独立した挙動を示すとすれば、シート抵抗は一定に保たれ、多層膜の抵抗と関連するはずである。
このことは、CVDプロセスを最適化して層数を制御することで、特定の用途要件を満たすようにシート抵抗を調整できることを示唆している。
4.用途と将来展望
CVDグラフェンは、センサー、タッチスクリーン、発熱体などさまざまな用途に用いられている。
CVDグラフェンの取り扱い方法の改善や製造コストの低減が進めば、その用途はさらに拡大すると予想される。
大きな表面積と優れた電気特性を持つグラフェンを製造できるCVDは、産業用途にとって魅力的な方法である。
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