ろう付けまたはろう付け溶接用のフラックスを選択す る際には、効果的かつ効率的な結果を得るために、い くつかの基準を考慮しなければならない。これらには、フラックスと母材およびろう付け合金との適合性、フラックスの垂直面への濡れ性と付着性、残留物の除去のしやすさ、温度、時間、雰囲気などのろう付けプロセス特有の要件が含まれる。
母材およびろう合金との適合性:
母材とろう合金の融点は非常に重要である。ろう合金の融点範囲が母材の融点範囲と重ならないことが重要である。通常、母 材の固相線温度はろう合金の液相線温度より少なくとも 55ºC (100ºF) 高くなければならない。これにより、ろう合金が溶けて接合部に流れ込む間、母材が固体のままであることが保証される。濡れ性と密着性
フラックスは、母材とろう合金の表面を濡らす能力が必要であり、特に垂直面や傾斜面では、酸化を防ぎ、ろう合金の流動を促進するために、これらの表面に留まる必要がある。この能力は、均一で完全な接合部の形成を保証するために極めて重要である。
残留物の除去の容易さ:
- ろう付け工程後、フラックス残渣はワークピースから容易に除去できなければならない。これは、最終製品の完全性と外観にとって重要である。残渣の除去が困難な場合、ろう付け部品の性能と美観に影響を及ぼす可能性がある。
- プロセス特有の要件温度と時間:
- ろう付け温度は、ろう合金を溶融させるために十 分に高くなければならないが、母材への影響を最 小限に抑えるために可能な限り低くしなければならない。また、母材の過熱を防ぎ、生産性を向上させるために、ろう付け時間を最小限にする必要がある。入熱:
母材の歪みや劣化につながるような過度な温度が接合部に生じないよう、被加工材への入熱のバランスをとる必要がある。雰囲気:
ろう付けされる材料によっては、酸化を防ぎ、ろう付け接合部の完全性を確保するために、ステンレス鋼の還元性雰囲気など、特定の雰囲気が必要となる場合がある。
フラックスの塗布