CVD(Chemical Vapor Deposition)とALD(Atomic Layer Deposition)は、半導体デバイスやコーティングの製造に用いられる薄膜形成技術である。CVDは気体状の前駆体を反応させて薄膜を作るが、ALDはCVDの精密なタイプで、原子レベルの膜厚分解能と優れた均一性を実現する。
CVD(化学気相成長法):
CVDは、ガス状の前駆体を反応させて基板上に薄膜を形成するプロセスである。この技術は汎用性が高く、金属、半導体、セラミックなど幅広い材料を蒸着することができる。前駆体は成膜室に導入され、そこで化学反応を起こし、目的の材料を基板上に堆積させる。CVDは、高い成膜速度で厚い膜を成膜できることと、利用可能な前駆体の範囲が広いことから、しばしば好まれている。ALD(原子層蒸着):
一方、ALDはCVDをより精密にしたものである。原子層が順次形成される自己限定的な反応メカニズムを利用する。このプロセスでは、反応室内に同時に存在することのない2種類の前駆物質を使用する。その代わり、これらは順次、層ごとに蒸着される。この方法では、膜の組成、厚さ、形状を非常に細かく制御できるため、非常に薄い膜(10~50nm)や高アスペクト比の構造への成膜に最適である。ALDは、ピンホールのない層を形成する能力と、複雑な形状や曲面上での優れた均一性で特に注目されている。
比較と区別