スパッタリングは、様々な科学的・工業的応用に用いられる汎用性の高い技術である。高エネルギー粒子によって固体ターゲットから材料を除去する。ここでは、4種類の主なスパッタリング法について説明する。
スパッタリングの種類とは?主な4つの方法
1.直流ダイオードスパッタリング
直流ダイオードスパッタリングでは、500~1000Vの直流電圧を使ってターゲットと基板の間にアルゴンガスの低圧プラズマを点火する。
陽性のアルゴンイオンがターゲットから原子を析出させ、それが基板に移動して凝縮する。
しかし、このプロセスでスパッタできるのは導電体のみであり、スパッタ率は低い。
2.RFダイオード・スパッタリング
RFダイオードのスパッタリングでは、高周波(RF)電力を使用してターゲットと基板の間にプラズマを発生させる。
RF電力を用いてアルゴンガスをイオン化し、ターゲットに向かってイオンを加速することでスパッタリングを起こす。
この方法は、DCダイオードスパッタリングと比較して高いスパッタリングレートが可能であり、導電性材料と絶縁性材料の両方に使用できる。
3.マグネトロン・ダイオード・スパッタリング
マグネトロン・ダイオード・スパッタリングはRFダイオード・スパッタリングの一種で、ターゲット表面付近に磁場を印加する。
磁場が電子をターゲット近傍に捕捉し、プラズマ密度を高めてスパッタリング速度を向上させる。
この方法は、高い密着性と密度を持つ金属膜の成膜によく用いられる。
4.イオンビームスパッタリング
イオンビームスパッタリングでは、高エネルギーのイオンビームを使用してターゲット材料から原子をスパッタリングする。
イオンビームは、アルゴンなどのガスをイオン化し、ターゲットに向かってイオンを加速することで生成される。
この方法では、スパッタリングプロセスを精密に制御することができ、低汚染レベルで高品質の薄膜を成膜するためによく使用される。
スパッタリングにはそれぞれ利点と限界があり、コーティング用途の具体的な要件に応じて方法を選択する必要があります。
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