ステンレス鋼のろう付けは可能であるが、ステンレ ス鋼の種類、ろう付け方法、ろう材の選択を慎重に 検討する必要がある。
考慮すべき4つの主要要素
1.ステンレス鋼の種類
チタンまたはニオブ安定化グレードを除 く、ほとんどのステンレス鋼はろう付けが可能 である。
ステンレス鋼をろう付けできるかどうかは、その 組成による。
チタンやニオブのような安定化元素を 含むステンレス鋼は、ろう付け工程を複雑にす るため例外である。
それ以外の鋼種でも、適切な技術と材 料を使用すれば、ろう付けは可能である。
2.ろう付け技術
ステンレス鋼表面の清浄度は、ろう付け前 に非常に重要である。
金属フィラーの接合を妨げる 汚染を防ぐため、油脂類は完全に除去しなけれ ばならない。
ろう付け技術 (フレーム、誘導、ファーネス) の選択は、用途の具体的要件と使用可能な設備に依存する。
炉ろう付けでは、ろう付け接合部の品質を確保するために、±6℃の公差を持つ精密な温度制御と急速冷却能力が必要である。
3.温度制御
ろう付け温度は重要なパラメーターである。
炭素含有量の高いオーステナイト系ステンレ ス鋼の場合、耐食性を低下させるクロム炭化物 の析出を防ぐため、鋭敏化温度範囲 (500~850℃)内でのろう付 けを避けることが不可欠である。
マルテンサイト系ステンレ ス鋼は、さらに厳しい温度管理が必要であ る。ろう付け温度は、材料の硬度を維持するた め、焼入れ温度と同じか、焼戻し温度より低 くなければならない。
4.ろう材
金属フィラーの選択は、ステンレス鋼溶接 部に要求される機械的および耐食性によって決 定される。
例えば、錫 鉛はんだは軟ろう付けに使用され、せん断強 度が比較的低いため、低荷重用途に適し ている。
銀系、銅系、マンガン系、ニッケル系、貴金属系など、その他のフィラーメタルはさまざまな特性を備えており、用途の特定のニーズに基づいて選択されます。
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