油圧システムにおける圧力の基本単位は、単位面積あたりの力として表されます。最も一般的な単位は、インペリアル(ヤード・ポンド)方式ではポンド毎平方インチ(PSI)、メートル法ではパスカル(Pa)またはバール(bar)です。プレスゲージはトンで表示されるように校正されていることがありますが、これは内部の流体圧力ではなく、発生する出力力の測定値です。
理解すべき核心的な区別は、油圧プレスが流体の圧力(面積あたりの力)に基づいて動作するのに対し、その性能は発生させることができる総出力力(トン)によって測定されることが多いという点です。ゲージには、内部圧力を結果として生じる加えられる力に変換するために、オペレーターの便宜のためにトン表示が頻繁に用いられます。

物理学:圧力と力の違い
油圧プレスが小さな入力から巨大な力を発生させる能力は、流体力学の基本原理によって支配されています。システムの圧力と出力される力の違いを理解することは極めて重要です。
真の単位:圧力
圧力とは、特定の面積に及ぼされる力の量です。流体内部の力の「強さ」と考えるとよいでしょう。
標準的な科学単位はパスカル(Pa)であり、これは1平方メートルあたりのニュートン単位の力です。産業用途では、PSI(ポンド毎平方インチ)またはバール(1バールは約海面での大気圧、つまり100,000 Paに相当します)の方がより一般的に遭遇するでしょう。
測定される結果:力
仕事をするのは圧力ですが、オペレーターの目標は物体に特定の力を加えることです。これが、多くのゲージが出力を直接表示するように単純化されている理由です。
ゲージに表示される単位—メトリックトン(1,000 kg)またはインペリアルトン(2,240ポンド)—は、その瞬間にプレスが及ぼしている総出力力の直接的な測定値です。
圧力が力を生み出す仕組み:パスカルの原理
油圧システムの驚異はパスカルの原理から生まれます。これは、密閉された流体に加えられた圧力が、流体のあらゆる部分および容器の壁に減衰することなく伝達される、という原理です。
力の増幅の公式
その関係は次の式で定義されます:力 = 圧力 × 面積。
小さなピストンに加えられた小さな力が流体内に圧力を発生させます。この同じ圧力が、より大きなピストンに作用し、その面積が大きいため、結果として得られる出力力は大幅に増幅されます。
ゲージがトンを表示する理由
オペレーターにとって、「断面積26平方インチのピストンに作用する『1,500 PSI』という圧力」からその力を計算するよりも、「20トンの力を加えている」と知る方がはるかに実用的です。
ゲージが計算を代行します。内部流体圧力を測定しますが、目盛り盤は対応する出力力をトン単位で表示するように校正されています。
避けるべき一般的な落とし穴
圧力と力の概念を混同すると、操作ミスや安全上のリスクにつながる可能性があります。この区別を理解することは、単なる学術的なものではなく、正しく安全に操作するために不可欠です。
コンポーネントの限界の見落とし
ホース、シール、シリンダーなどの油圧コンポーネントには、最大圧力(例:3,000 PSI)定格があります。この圧力を超えると、たとえ出力力が別のプレスにとって正常範囲内であっても、壊滅的な故障を引き起こす可能性があります。
力が一定であるという誤解
もしプレスの中央シリンダーをより大きな直径(より大きな面積)のものと交換した場合、同じ内部流体圧力でも、より大きな出力力を生み出すことになります。古いゲージの「トン」表示は不正確になります。
目的に合った適切な選択をする
システムの解釈は、あなたの目的に完全に依存します。
- 特定の負荷をかけることが主な目的の場合: ゲージの力表示(トン)を信頼してください。これは、加工物に加えている直接的な出力を伝えるために設計されています。
- メンテナンスまたはシステム設計が主な目的の場合: システムが設計限界内で安全に動作していることを確認するために、個々のコンポーネントの圧力定格(PSIまたはバール)で作業する必要があります。
結局のところ、油圧プレスを習得するということは、圧力が原因であり、力が結果であることを理解することです。
要約表:
| 概念 | 主要単位 | 目的 |
|---|---|---|
| 圧力 | PSI、バール、パスカル (Pa) | 流体の強度を測定します。システム安全とコンポーネント限界にとって重要です。 |
| 力(フォース) | トン(メートル法/インペリアル) | 加工物への総出力を測定します。オペレーターが直接使用するものです。 |
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