スパッタリングは物理的気相成長法である。固体ターゲット材料から基板上に原子を放出・堆積させ、薄膜を形成する。このプロセスは、真空チャンバー内で、通常アルゴンのような不活性ガスからの高エネルギーイオンをターゲット材料に浴びせることによって達成される。
5つの主要ステップ
1.プラズマの生成
プロセスは、不活性ガス(通常はアルゴン)を真空チャンバーに導入することから始まる。放電を起こし、プラズマを発生させる。このプラズマの中で、アルゴン原子は電子を失って電離し、正電荷を帯びたイオンになる。
2.イオン砲撃
正電荷を帯びたアルゴンイオンは、電界によって負電荷を帯びたターゲット(陰極)に向かって加速される。ターゲットは薄膜として蒸着される材料でできている。
3.ターゲット原子の放出
高エネルギーのアルゴンイオンがターゲットに衝突すると、その運動エネルギーがターゲット原子に伝達される。このエネルギー伝達は、ターゲット表面から原子を離脱(スパッタ)させるのに十分である。
4.基板への蒸着
放出されたターゲット原子は蒸気相となり、真空チャンバー内を移動し、近くに配置された基板上に堆積する。この蒸着により、ターゲット材料とプロセスパラメーターによって決まる特性を持つ薄膜が形成される。
5.制御と最適化
スパッタリング・プロセスは、ターゲットに印加する電力、チャンバー内のガスの圧力、ターゲットと基板間の距離などのパラメーターを調整することによって、細かく制御することができる。これにより、導電性、光反射性、化学反応性など、特定の特性を持つ膜を成膜することができる。
スパッタリングは、薄膜の成膜にさまざまな産業で使用されている汎用性の高い技術である。スパッタリングは、基板との密着性に優れた、高品質で均一かつ緻密な被膜を形成できるためである。また、反応性ガスをチャンバー内に導入して基板上に化合物を形成する反応性スパッタリングなどの技術により、合金や化合物を含む複雑な材料の成膜にも使用できます。
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