藻類バイオマスからのバイオオイル生産は、熱分解や水熱液化などの熱処理によって藻類を液体燃料に変換するプロセスである。このプロセスは、藻類のような再生可能な資源を利用し、化石燃料に代わる可能性を提供するという点で重要である。
藻類バイオマスの熱分解:
熱分解は、酸素がない状態で、通常高温(約500℃)で起こる熱分解プロセスである。Miaoら(2004b)は、Chlorella protothecoidesやMicrocystis aeruginosaなどの藻類を高速熱分解すると、それぞれ18%と24%のバイオオイルが得られることを実証した。藻類から生産されるバイオオイルは、木材から生産されるバイオオイルに比べて、一般的に炭素と窒素の含有量が高く、酸素の含有量が低い。クロレラ・プロトテコイデスを従属栄養的に培養すると、バイオオイルの収率は57.9%に大幅に増加し、発熱量は41 MJ/kgとなる(Miao et al., 2004a)。藻類熱分解からのバイオオイルは通常、リグノセルロース系原料からのものより発熱量が高く(31-36 MJ/kg)、代替燃料として有望である。しかし、藻類バイオオイルは窒素含有量が高いため、NOx排出量の増加や触媒の不活性化につながる可能性があり、ドロップイン燃料として使用する前に、窒素と酸素を除去するためのさらなる改良が必要となる。藻類バイオマスの水熱液化(HTL):
HTLは、乾燥したバイオマスを必要とする熱分解とは異なり、湿ったバイオマスを扱うことができるプロセスである。中程度の温度(200℃~350℃)と高圧下で作動し、バイオマスをバイオ原油に変換する。HTLは、多くの場合90%以上の水分を含む藻類を、エネルギー集約的で熱分解の効率を低下させる乾燥工程なしで処理することができる。HTLから生産されるバイオ原油はエネルギー密度が高く、再生可能な化学物質を含むが、通常、製油所の原料として適するためには、さらなる処理が必要である。
課題とアップグレード