バイオオイルは熱分解油としても知られ、バイオマスの熱分解プロセスから得られる液体製品である。
このプロセスでは、バイオマスなどの有機物を低酸素環境で急速に加熱し、その後急速に急冷する。
得られるバイオオイルは、酸素を含む有機化合物、ポリマー、水からなる複雑なエマルジョンであり、未加工のバイオマスよりも扱いやすく、化学修飾も容易である。
7つのポイント
1.組成と特性
バイオオイルの特徴は、酸素含有量が高いことであり、通常40重量%に達する。
この酸素含有率の高さが、いくつかのユニークな特性の一因となっている。
1.1 石油油との非相溶性
バイオオイルは石油オイルと混和しないため、従来の燃料とは異なる。
1.2 含水量
バイオオイルは、通常20~30%という多量の水分を含んでおり、特定の条件下では相分離を起こすことがある。
1.3 エネルギー含有量
バイオオイルの発熱量は15-22 MJ/kgと、石油オイル(43-46 MJ/kg)より低く、これは主に酸素化合物によるものである。
1.4 酸性
バイオオイルは酸性であるため、腐食性が生じる可能性があり、特別な取り扱いと保管上の注意が必要である。
1.5 不安定性
バイオオイルは不安定であり、特に加熱すると粘度が変化し、経時的に相分離を起こすことがある。
1.6 密度
バイオオイルは水よりも密度が高く、固体の無機物や炭素チャーを含むことが多い。
2.製造プロセス
高速熱分解として知られるバイオオイルの製造プロセスでは、液体生成物の収量を最大化するため、高温と短い滞留時間が必要となる。
このプロセスの目的は、輸送用燃料の原油に代わる炭化水素に富んだバイオオイルを生産することである。
しかし、バイオオイルの性質と収率は非常に多様で、プロセス条件、加熱速度、滞留時間、バイオマス粒径、温度、使用するバイオマスの種類など、いくつかの要因に左右される。
3.課題と改善
初期のバイオオイルは、非常に不安定で腐食性が高く、有機酸素を多く含んでいたため、水相からの分離が困難であった。
現在の開発努力は、分離を改善し、オイルの品質を向上させるために、酸素含有量を25wt%未満に減らすことに集中している。
しかし、この改善には、有用炭素の収率低下という代償が伴うことが多い。
4.用途とアップグレード
バイオオイルは酸素含有量が高く、熱的に不安定で発熱量が低いため、エンジン燃料として直接使用することはできない。
そのため、酸素を除去し、製品を安定化させるために、様々な化学プロセスによるアップグレードが必要となる。
このアップグレードプロセスは、バイオオイルを従来の燃料の代替とするために非常に重要である。
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