蛍光X線分析(XRF)とエネルギー分散型分光法(EDS)は、どちらも元素分析に用いられる分析技術です。
しかし、操作方法、分解能、用途が異なります。
理解すべき4つのポイント
1.操作方法
蛍光X線分析:蛍光X線分析では、光源からの一次X線が試料中の原子と相互作用します。
これにより、内殻電子が放出され、より高いエネルギー準位からの電子が空孔を埋める。
この遷移により、各元素に固有の二次X線が放出され、これを検出して試料の元素組成を決定する。
EDS:EDSは、真空環境下で集束した電子ビームを試料に照射することで作動する。
この電子線照射により、試料から特徴的なX線が放出され、このX線を検出・分析することで、存在する元素とその濃度を特定する。
2.分解能と検出
蛍光X線分析:XRFは通常、エネルギー分散型XRF(ED-XRF)では150eV~600eV、波長分散型XRF(WD-XRF)では5eV~20eVの分解能を提供します。
バルクサンプルの分析が可能で、包括的な元素組成を提供します。
EDS:EDSのサンプリング深度は約1μmで、BeからUまでの全元素の定性・定量分析が可能です。
EDSの分解能は一般的に微小領域の分析に十分で、検出限界は通常0.1%~0.5%程度である。
3.アプリケーションと試料条件
蛍光X線分析:XRFは、セメント、金属鉱石、鉱物鉱石、石油・ガス、環境および地質学的アプリケーションなどの産業で広く使用されています。
サンプルの前処理が最小限で済み、非破壊でサンプルの完全性を保ちます。
EDS:EDSは、主に微小領域分析のために電子顕微鏡と組み合わせて使用されます。
真空および電子ビーム照射下で試料が安定している必要があり、特に微小な局所領域の元素組成分析に有用である。
4.技術的特徴
蛍光X線分析:XRFは、非破壊で複数の元素を同時に分析できるため、複雑な材料系に適している。
EDS:EDSは、プローブ電流が小さいため試料へのダメージが少なく、点、線、面分析が可能で、詳細な元素分布図を得ることができます。
専門家にご相談ください。
結論として、XRFとEDSはどちらも元素分析の強力なツールですが、その違いは動作原理、分解能、特定のアプリケーションにあります。
XRFはバルク分析に適しており、非破壊であるのに対し、EDSは微小領域分析に優れており、詳細な元素マッピングのために電子顕微鏡と統合されることがよくあります。
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