ろう付けは、450℃(842°F)以上、接合される母材の融点未満の温度で溶融するろう材(ろう合金)を使用して、2つ以上の金属部品を接合するプロセスである。ろう付け合金の温度は、特定の合金組成と接合される材料によって異なる。一般に、ろう付け温度は450℃~1200℃の範囲である。温度の選択は、母材の種類、ろうの融点、接合部に求められる特性などの要因によって異なる。ろう付けの適切な温度を理解することは、強度、耐久性、信頼性の高い接合部を実現する上で極めて重要である。
重要ポイントの説明

-
ろう付けとろう合金の定義:
- ろう付けとは、金属接合プロセスのひとつで、金属フィラーを融点以上に加熱し、毛細管現象によって2つ以上の密着部品の間に分布させる。
- ろう付け合金はこのプロセスで使用される金属フィラーであり、接合される母材金属よりも低い融点に基づいて特別に選択される。
-
ろう付け合金の温度範囲:
- ろう付け合金の温度範囲は、通常450℃~1200℃である。
- この範囲であれば、母材を溶融させることなく、ろう材が溶融して接合部に流れ込む。
-
ろう付け温度に影響を与える要因:
- 卑金属の特性:接合する母材の融点は、ろう付け温度を決定する上で重要な役割を果たす。ろうは母材よりも低い温度で溶融しなければならない。
- フィラーメタルの組成:ろう付け合金は融点が異なります。例えば、銀を主成分とする合金はより低い温度(約600℃~800℃)で溶融しますが、ニッケルを主成分とする合金はより高い温度(約1000℃~1200℃)を必要とします。
- ジョイントの設計と応用:継手の設計と特定の用途は、必要なろう付け温度に影響する。例えば、クリアランスの狭い接合部では、適切な毛細管流動を確保するために低い温度が必要となる場合がある。
-
一般的なろう付け合金とその溶融温度:
- 銀系合金:これらの合金は、銅、黄銅、ステンレス鋼のろう付けによく使用される。通常、溶融温度は600℃~800℃(1112°F~1472°F)である。
- 銅ベース合金:銅-リン合金は、銅や黄銅のろう付けによく使用される。溶融温度は約700℃~800℃(1292°F~1472°F)である。
- ニッケル基合金:高温用途に使用され、1200℃までの温度に耐える。ステンレス鋼や超合金のろう付けによく使用される。
- アルミニウム基合金:アルミニウムおよびその合金のろう付けに使用され、約580℃~620℃(1076°F~1148°F)で溶融する。
-
ろう付けにおける温度管理の重要性:
- ろう付けでは、母材を過熱することなく、ろう材が適切に溶融・流動するよう、正確な温度管理が不可欠である。
- 過熱は母材の歪み、酸化、接合部の弱化につながり、加熱不足は不完全な溶融と接合部の形成不良につながる。
-
ろう付け方法と必要温度:
- トーチろう付け:この方法は、ガス炎を使って接合部と溶加材を加熱する。炎の強さと炎と接合部の距離を調整することにより温度を制御する。
- 炉ろう付け:この方法では、アセンブリ全体を炉内で必要なろう付け温度まで加熱する。この方法は大量生産に適しており、均一な加熱が可能である。
- 誘導ろう付け:この方法は、電磁誘導を使用して接合部と溶加材を加熱する。精密な温度制御が可能で、小型で複雑な部品によく使用される。
- ディップろう付け:アッセンブリは溶融塩浴または溶融ろう材浴に浸漬される。温度は浴温によって制御される。
-
ろう付け後の注意事項:
- ろう付け後は、熱応力やひび割れを避けるため、接合部を徐冷する必要がある。
- 場合によっては、接合部の機械的性質を改善するために、ろう付け後の熱処理が必要となる。
要約すると、ろう付け合金の温度はろう付けプロセスにおける重要な要素であり、合金の種類や接合される材料によって異なる。適切な温度管理は、強靭で耐久性のある接合部の形成を保証し、最適な結果を得るためには、それぞれのろう付け用途に特有の要件を理解することが不可欠である。
総括表
ろう材種類 | 溶融温度範囲 | 一般的な用途 |
---|---|---|
銀系合金 | 600°C ~ 800°C (1112°F ~ 1472°F) | 銅、真鍮、ステンレス鋼 |
銅ベース合金 | 700°C ~ 800°C (1292°F ~ 1472°F) | 銅、真鍮 |
ニッケル基合金 | 1000°C~1200°C (1832°F~2192°F) | ステンレス鋼、超合金 |
アルミニウム基合金 | 580°C~620°C (1076°F~1148°F) | アルミニウムとその合金 |
お客様のプロジェクトに適したろう付け合金の選択にお困りですか? 当社の専門家に今すぐご連絡ください にお問い合わせください!