金スパッタコーティングは、走査型電子顕微鏡(SEM)において極めて重要なプロセスである。帯電を防ぎ、画像の質を向上させるのに役立つ。このコーティングの厚さは通常2~20ナノメートルです。この極薄層は、非導電性または導電性の低い試料に適用される。二次電子の放出を増加させることにより、S/N比を向上させる。
5つのポイント
1.目的と用途
金スパッタコーティングは、主に非導電性または導電性の低い試料をコーティングするためにSEMで使用される。このコーティングが不可欠なのは、試料に静電場が蓄積するのを防ぐためである。そうでなければ、イメージングプロセスに支障をきたす可能性がある。さらに、金属コーティングは試料表面からの二次電子の放出を増加させる。これにより、SEMで撮影した画像の視認性と鮮明度が向上する。
2.厚さの範囲
SEM用スパッタリング金薄膜の一般的な厚さは、2~20ナノメートルである。この範囲は、コーティングが試料の微細なディテールを不明瞭にしない程度に十分に薄いことを保証するために選択されます。また、十分な導電性と二次電子放出が得られる厚さでもある。
3.具体例と技術
一例として、SC7640スパッタコーターを用いて、6インチウェーハを3ナノメートルの金/パラジウム(Au/Pd)でコーティングした。使用した設定は、800V、12mA、アルゴンガス、0.004barの真空であった。このコーティングは、ウェーハ全体にわたって均一であることが確認された。別の例として、同じくSC7640スパッタコーターを使用して、カーボンでコーティングされたフォームバー・フィルム上に2ナノメートルの白金薄膜を成膜した。設定は800V、10mA、アルゴンガス、真空度0.004barであった。
4.技術的詳細と計算式
Au/Pdコーティングの厚さは、以下の式で計算できる:[Th = 7.5 I t ]。ここで、( Th )はオングストローム単位の厚さ、( I )はmA単位の電流、( t )は分単位の時間である。この式は、電圧が2.5KV、ターゲットから試料までの距離が50mmの場合に適用できる。
5.限界と適性
金は二次電子収率が高いため、高倍率イメージングには不向きである。このため、スパッタリングが急速に進行し、コーティングに大きな島や粒が形成される。このような構造は高倍率で見えるため、試料表面の詳細が不明瞭になる可能性がある。そのため、金スパッタリングは、通常5000倍以下の低倍率でのイメージングに適しています。
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