DCスパッタリングは絶縁体には使用されないが、その主な理由は、絶縁体固有の電気的特性により電荷が蓄積され、スパッタリングプロセスが中断され、操作上の重大な問題を引き起こす可能性があるためである。
絶縁体ターゲットの電荷蓄積:
絶縁材料は定義上、電気をよく通さない。直流スパッタリングでは、ターゲット材 料に直流電流を流し、スパッタリングと呼ばれるプロセスで粒子を放出する。し か し 、タ ー ゲ ッ ト が 絶 縁 体 で あ る 場 合 、流 れ る 直 流 電 流 は タ ー ゲ ッ ト 材 料 を 通 過 す る こ と が で き ず 、タ ー ゲ ッ ト に 電 荷 が 溜 ま っ て し ま う 。この電荷の蓄積は、スパッタプロセスに不可欠な安定したガス放電の確立を妨げる。安定した放電がなければ、スパッタリングプロセスは非効率となり、完全に停止することさえある。絶縁基板上の電荷蓄積:
同様に、基板が絶縁体の場合、成膜プロセス中に電子が蓄積される可能性がある。この蓄積は、基板と蒸着膜の両方にダメージを与える破壊的な放電であるアークの発生につながる可能性がある。これらのアークは、基板の絶縁特性を克服するために必要な高電圧の結果であり、その結果、電気的ストレスの高い局所的な領域が形成される。
反応性DCスパッタリングの課題:
金属ターゲットを反応性ガスと併用して絶縁被膜を形成する反応性DCスパッタリングを用いても、課題は残る。絶縁被膜が基板上で成長するにつれて帯電し、アーク放電と同じ問題を引き起こす可能性がある。さらに、陽極がコーティングされ、徐々に絶縁体に変化することがある。この現象は消失陽極効果と呼ばれ、スパッタリングに必要な電気的環境をさらに複雑にして問題を悪化させる。
別の方法RFスパッタリング: